ハーレー、ミルウオーキーエイト(MILWAUKEE Eight)エンジン

ハーレー新設計の高性能エンジンは2017年にツーリングモデルに搭載、2018年からはソフテイルにも搭載された。OHV4バルブのエンジンがツインで8、さらにハーレーの地名も入れた“ミルウオーキーエイト・エンジン。

伝統のシンプルな空冷OHVを守りながらとても高性能なエンジンだ。

パワーもトルクもツインカム・エンジンから大幅アップ。空冷Vツインの味を残しながらパフォーマンスをアップさせた。


ハーレー伝統のOHVの機構ながら、1シリンダー4バルブ構成で吸排気効率を大きく向上。真中に見える穴がインジェクターの噴射口で、左右に見える穴がスパークプラグの穴。


シリンダーヘッドカバーの形が変わった。エアクリーナーの前方に大きな開口部がある。内部のフィルターをハイフローに変えてインジェクションチューニングすれば更にパワーアップが狙える。


スロットルは電子制御方式。アクセルを捻るとモーターが回転してスロットルが開く。
インジェクションチューニングで加速をより鋭くする事ができる。具体的には、パンとアクセルを開けた時に燃料を増量して加速するセッティング項目がある。
昔のフラットバルブ等のキャブレターの加速ポンプと同等の働きになる。電子制御で”スロットルレスポンスが悪くなった”という方はぜひお試し頂きたい。


ハーレーのM8エンジンはヘッドの中央に燃料噴射のインジェクターがあり、左右の両側に点火プラグがある。
1気筒2個のツインプラグになり、プラグコードも前後で4本になっている。
プラグを交換する時は前後で4本、プラグコードを交換する時も4本でコストがかかるが、その分性能もアップしている。


ハーレーのツインカム・エンジンからM8エンジンで変わったのがエキパイ。触媒出口の部分の口径が太くなった。
触媒部の抵抗が大きく、発熱も大きいからと思われる。
その為、スリップオンのマフラーに交換する時、以前は左右のマフラーの差し込み口が同じ口径だったが、ミルウオーキーでは右側だけ太くなっている。


ちなみに、エキパイの一番後端にキャタライザー(触媒)があり、狭い口径の中にぎっしり詰まっている。排気抵抗は大きく、音も本来のハーレーの音にならない。
もう一つの問題は、触媒が大きく発熱するという事。なのでハーレーのM8エンジンは右足元が以前より熱くなる。


ハーレーのマフラーのお勧めはスクリーミンイーグルのフルエキやS&Sのフルエキへの交換。これらのマフラーは触媒がマフラー入口部にあり、エキパイには無い。
マフラーの口径はエキパイよりはるかに大きく、左右両側になるので触媒にも余裕が出て、

  • 発熱量が大きく下がる。
  • 発熱部がライダーの足元から後ろに移る。
  • 狭い後継の触媒から大口径触媒で排気抵抗が下がり音も良くなる。パワーもアップする。

エキパイをキャタライザー無しに交換する方法があるが、マフラーもエキパイも排気抵抗が無くスカスカになるので、低速トルクが少なくなったりする。音もちょっと響きすぎたりする。
性能的にも音的にもスクリーミンイーグルのフルエキやS&Sのフルエキはお勧め。
マフラーを最初に変えて後でエキパイを交換するよりトータルバランスがよく、低音が気持ち良く、下から上までパワフルになる。

ミルウオーキーエンジン搭載のツーリングモデルとカスタム

ハーレー、ツーリングモデルは2017にミルウオーキーに変わったので、カスタムパーツも純正、社外とも豊富に揃ってきた。
エンジンが変わった事でツインカム車とは異なるパーツも多いが、外装系はフェアリングやサドルバッグなど2014年から共通で使えるパーツも多い。

ミルウオーキーエンジン搭載のソフテイルとカスタム

ソフテイルはツーリングに遅れて2018年にミルウオーキーエンジンに変更になった。
カスタムパーツも徐々に増えてきている。
注意点としては、元々ソフテイルは車種のバリエーションが多く相違点も多くて、カスタムパーツの適合も複雑だったが、以前のダイナが統合されてダイナに近いソフテイルと以前のソフテイル系と合わせて13車種(排気量の異なるS系を除いても9車種)ある。カスタムパーツの適合がさらに複雑になってしまった。ハーレーのパーツを選ぶ時はよく注意しよう。