ハーレーのマフラー交換

スリップオンマフラー

スリップオンマフラー

ハーレーのマフラー(サイレンサー部分)をスクリーミンイーグルなどのスリップオンマフラーに交換する際の注意事項。

車種や車両の個体差によって、所要時間や必要な工具は変わってくるが、共通のポイントをまとめた。

<インチ工具を使用する>

ハーレーのマフラー周辺に使われているネジは、V-RODとSTREETを除きすべてインチサイズ。

日本で通常使用されているミリ工具は微妙にサイズが違って使用できないので注意が必要(近いサイズの工具を無理に使うとネジの頭をなめてしまう原因となる)。

<車載工具では不十分な事も多い>

マフラーを固定するボルトは強く締めてあり、車両により個体差はあるが、緩めるにはかなり力をかける必要がある。

車載工具に含まれているスパナでは、力をかけたときにネジの頭をなめてしまう事がよくある。

車載工具にはメガネレンチも含まれるが、エキパイに干渉してうまく回せないケースと、柄が短いために力がかからずボルトを緩められないケースがある。

<ディープソケットレンチがおすすめ>

ハーレーのマフラーの交換にはボックスソケットレンチが最適である(ただしソフテイルはメガネがお勧め)。

短めのボックスソケットではボルトの頭側には使えてもネジ側では届かないので、ディープソケット(ロングソケット)を使う。

ラチェットとボックスレンチ

ラチェットとボックスレンチ

持ち手の部分が丈夫で長めのラチェットと組み合わせると作業が容易になる。ブレーカーバーだとさらに力をかけれる。

マフラー交換では、ボルトが正面から見えない状態で工具を差し込む場所もある。

<マフラークランプ>

マフラークランプはエキパイとサイレンサーの結合部を固定する金具。

クランプ

マフラークランプ(純正型番:65296-95A)

新品のサイレンサーを取り付ける場合は、このクランプも新しいものへの交換がお勧め。クランプは締めこんだ時に変形して再利用が難しい場合がある。

※詳細は、マフラークランプの再利用という記事を参照。

クランプのボルトは9/16インチ。

<マフラーの取り外し>

一連の交換作業で、一番の難所はマフラーの取り外しである。

サイレンサーを固定するボルトをすべて外して引き抜くが、単純に後ろへ引っ張ってもすぽっとは抜けてくれないの。上下に少しずつ揺らしながら引き出していく。

大きく揺らしてしまうと、エキパイの根元に負担がかかるので、気長に少しずつ引っ張り出す。

サビが発生している場合などは、CRCなどの潤滑油を接合部に浸み込ませるとやりやすくなるが、作業完了後にしっかりと拭き取る必要がある。

<新しいマフラーの取り付け>

取り付けは、取り外しに比べると容易である。

2004~2013 スポーツスターや2000年代半ば頃のソフテイルモデルなど、サイレンサーに連結管がついている場合はその部分にガスケットを使用するので、排気漏れのないようにしっかり密着させる。

<作業完了後>

作業が完了したらエンジンをかける前にウエスでマフラーやエキパイをキレイに拭いておく。そのままエンジンをかけてしまうと熱で指紋や汚れが焼き付いて取れなくなる事がある。

そしてエンジンをかけて、エキパイとの接合部や連結管からの排気漏れがないかどうか確認する。

取り付け完了!

取り付け完了!

新しいマフラーは、始めのうちは少量の白煙や臭いが出ることがある(内部に製造過程で使用する工作油が付着している事があるので)が、10km程度走行すれば通常は治まるので心配する事はありません。

また、振動でボルトが緩むことがあり、そのままにしているとマフラーが脱落する例もあるため、少し走行したら増し締めを行う。