ハーレーにとってエンジンオイルは無くてはならない重要なもの。適したオイルを使用して調子よく維持したい。
まず、シンセティックオイルは耐摩耗性が高いので、オイルが汚れにくい。数1000Km走行後のオイルの色を比べると鉱物油の方が黒くなっているのが激しい事が判る。
あと、シンセティックは揮発性が少なく長持ちする。鉱物油は揮発により成分が変わってくるので走らなくても年に1~2回は交換が推奨となる。例えば自動車のBMWでは推奨シンセティックオイル使用を前提に交換サイクルは25,000Kmとしているくらい。シンセティックは長く良い性能を保つので価格差以上の違いがあるかも知れない。
最近、鉱物油とシンセティック(100%化学合成)オイルをブレンドした部分化学合成油も出回っているが、純正オイルには無い。
様々なメーカーのオイル
純正オイルには一般的な鉱物油と化学合成(シンセティック)オイルがある。
違いは、シンセティックオイルが化学合成で内部の粒子が揃っている高性能オイルで有る事。
一般的な鉱物油との違いは意外と大きい。
ハーレー純正のエンジンオイルはやはり安心感が大きい。
純正のオイルはすべてマルチグレードでSAE20W50とやや固めのオイル。
これは空冷エンジンではピストンとシリンダーのクリアランスがやや大きく、やや固めのオイルの方が適しているから。
自動車用は最近0W20など非常に柔らかいオイルが増えてきた(エコの為)が、間違ってもこういったオイルは使ってはいけない。
純正以外にもいくつかのオイル・メーカーでハーレーのエンジンに適したエンジン・オイルを発売しており、リーズナブルな価格で純正と同等の品質で、純正より幅広い粘度レンジのオイルを揃えている所もある。
写真はTwin Power (ツインパワー)というブランドのオイル。ハーレーの空冷エンジンに合わせて設計してあり、純正オイルと遜色ない性能。やはり鉱物油とシンセティックオイルとあるが、それ以外にも25W60のグレードのオイルや60Wなどのシングルグレードも用意している。
シンセティックオイルでもツインパワーはお勧め。
メーカーのテストではすべての項目で純正のSYN3を凌ぐデータを叩き出している(公式検査機関テスト)。
<線接触摩擦>
純正20W50 : 最大負荷 1750 lbf
純正SYN3 : 最大負荷 2750 lbf
ツインパワーSYN: 最大負荷 3250lbf
<加熱気化テスト>
純正20W50 : 8.2%
純正SYN3 : 5.7%
ツインパワーSYN: 5.0%
左はBEL RAYというメーカーのオイル。
BEL RAY(ベルレイ)は、レース等で活躍しているオイルメーカー。
厳しい環境で耐えるオイルを作っているベルレイがハーレーのエンジンに合わせて作ったエンジンオイル。性能は折り紙付き。
写真のSPECTRO(スペクトロ)オイルは、その昔ハーレー純正オイルが無い頃にハーレーで使用されていた信頼性の高い高性能オイル。
詳細は商品ページにあるので省くが、地味に各所で人気の高いオイル。
一度使ってみれば違いが分かる!
特に6速専用に配合されたギアオイルはディーラーでも推奨しているほどの超高性能オイルだ。
旧車については…
ツインカム・エンジンやミルウオーキーエンジンにはシンセティックの方が良いが、古いショベル以前のエンジンには鉱物油の方が良かったりする。これはシンセティックでは粒子が均一で細かくオイル漏れしやすいなどの弊害があるから(実は古い空冷ポルシェなどもそう)。
古い空冷エンジンには50Wや60Wなどシングルグレードのオイルがピッタリの特性だったりする。