高年式のハーレーは、エンジンのパワーや性能が著しく向上していますが、それに伴い、カスタムを楽しむ際にはインジェクションチューニングによる燃調の重要性が増しています。燃調を行わずにカスタムを楽しむバイカーも多数いらっしゃいますが、そうした選択が引き起こすトラブルの影響はいかにっ!?
ハーレーにインジェクションチューニングはなぜ必要??
ハーレーカスタムにおける燃調の調整(インジェクションチューニング)は、パフォーマンス向上の鍵です。
吸排気系やエンジン内部のパーツをカスタムすることで、エンジンが必要とする燃料と空気のバランスが変わり、適切な燃調がされていなければ、出力を最大限に引き出せないばかりか、エンジンに大きく負担がかかってしまう場合もあります。
燃料が多すぎれば燃費が悪化し、少なければエンジンが過熱しやすくなり、異常燃焼のリスクが高まります。
吸排気カスタムを行ったのちに燃調を行わない状態でいると、燃料が少ない(薄い)状態になり、エンジンやその周りの構成パーツは過熱しやすくなり、オーバーヒート気味の状態が続き、アフターファイヤーによる洗礼を受けることになります。
【こぼれ話】
筆者も免許を取り立てで何もわからずにインジェクション搭載のハーレーに乗り始め、吸排気のみをカスタムしてインジェクションチューニングを行わずに走行していた時期がありました。エンジンとオイルはかなりの高温に達し、シートは汗でビシャビシャに濡れ、エンジンノイズを大きく感じるという、とんでもない状態で走っていたのは今でもすごく苦い思い出です。
※かなり車両の寿命を縮めてしまったと思います。
◆大きなトラブルの一例
エンドの形状が非常に美しいマフラーとなっています。
マフラーは通常、耐熱塗装や加工が施されていますが、想定を超えた高温にさらされると、塗装や加工が劣化し、外観にまでダメージが起こることがあります。
燃調が行われていない車両へこちらのマフラーを取り付けて、1,000Km程の走行をした際に発生した「大きなパーツへのダメージ」を次の項で見てみましょう。
高温によって、熱影響を受けやすいマフラー右側のみ大幅な変色が発生してしまった。
メーカーが推奨している使用基準の一つとして、「燃調が必要」となっていたマフラーにて、インジェクションチューニングを行わずに1,000Km程走行した結果、エンジン周りのパーツが過熱や、アフターファイヤーなどの熱影響が及ぶことにより、エンドキャップに変色が発生しました。
ここまで著しく外観に影響が及ぶダメージが発生したケースはとても珍しいのですが、あらためて燃調の必要性の高さが窺える事例となりました。
インスタグラム等では赤熱化したマフラーの投稿を見かけることもありますが、一部は同じように燃調が原因となっている場合もあるのではないでしょうか。
インジェクションチューニングによってハーレーが得るメリットは多岐にわたります。
こういったトラブルを回避するだけでなく、メリットは実に様々ございます。ハーレー特有の鼓動感やスロットルレスポンスを最大限に活かし、トルクフルな走行を楽しめることや、マフラーやエアクリーナーの本来のポテンシャルを引き出すことで、発揮されるパフォーマンスは走る楽しみを一層大きくしてくれます。
適切な燃調は単なる「最適化」を超え、エンジン寿命を延ばし、内部損傷などの故障リスクを回避することにも確実に繋がります。
愛車をカスタムしながら、長く快適に走らせるためには、インジェクションチューニングはとっても重要なステップで、「必ず実施すべき」だと筆者はお伝えしたいと思います。
インジェクションチューニングについて詳しく言及しているガイドは下記のボタンよりどうぞっ!!