ソフテイルのエンジンはドライサンプ方式
ソフテイルの他、ダイナもツーリングモデルも長い間ツインカム・エンジンを採用してきた。
TC88からスタートし、TC96, TC103と排気量を上げながらソフテイルはソフテイルらしいエンジンフィールを提供してきた。
ハーレーのエンジンはスポーツスターもダイナもツーリングモデルも、そしてソフテイルも空冷Vツインのドライサンプ方式である。
4ストロークエンジンの一般的な形式はウエットサンプ方式と言って、クランクケースにエンジンオイルを溜めておく方式である。
一方のドライサンプはクランクケースにはあまりエンジンオイルを溜めておかず、オイルタンクにオイルを保存し循環させる。
ダイナやツーリングモデルではオイルタンク部はミッションの下部、エンジン内にあるので目立たないが、ソフテイルではエンジン後方に大型のタンクを搭載しており、このオイルタンクがかなり目立つ。クロームでフレームに沿うデザインでソフテイルのデザインのポイントにもなっている。
ドライサンプのメリットはエンジンオイルを冷却しやすい事、エンジンオイルの量に制限がない事などがある。4輪車では高性能で有名なあのポルシェの空冷エンジンでドライサンプ方式を採用していた。エンジンオイルは10リットル位搭載しているが、レスポンス良く回る空冷エンジンの音はどこかハーレーにも通じるところがある(空冷ポルシェのオーナーでハーレー用エンジンオイルを使う人も多い)。
一番の特徴はバランサー
ソフテイルのエンジンの一番の特徴は何といっても独特なバランサーを内蔵している事。
2軸バランサーと呼ばれ、2つの軸にある小さなスプロケットとチェーンでつながり、エンジンの振動を打ち消している。
エンジンはどうしても振動が出てしまう。Vツインエンジンの鼓動は気持ちよいが、振動は疲れるだけである。
そこで通常はエンジンとフレームの間にラバーゴムを介して振動を吸収している。完全には吸収できないので、振動は体にも伝わってくる。
そして重量の重いエンジンをラバーマウントすると加速・減速・リーンの時に動くので走りにも影響が出る。
ソフテイルの場合はバランサーで振動を打ち消しているので、このラバーが無い。エンジンはフレームにリジッドマウントされている。という事はそれだけカチッとした動きになる。