電装系

スパークプラグ

スパークプラグ

シリンダー内で圧縮された混合気を高電圧で発生した火花を飛ばして着火させ、爆発させるパーツ。

通常のプラグの他に着火性能を上げるために電極を細くしたプラグもある(電極が細くなると消耗も早くなるのイリジウムなどの特殊な金属を使用する)。

通常は1シリンダーに1個のプラグを装着するが、以前のスポーツスターやミルウオーキ8エンジンでは1シリンダー2個のスパークプラグを使用している。これは着火性能を上げてパワーを上げると同時にキレイな排気ガスの為。

ECM:車載コンピュータ

ECM:車載コンピュータ

インジェクション車は燃料の噴射量を制御するのにECM(Electric Control Module)と呼ばれる車載コンピュータが装備されている。
ハーレーのECMはシートの下やサイドカバーの中、エンジン後方に装備されている。
ECMはエンジン温度や回転数、O2センサーやその他多くのセンサーの信号を読み取り最適なエンジンコンディションになるよう燃料噴射を調整しているが、その他多くの信号を制御し、異常があればメーター内に表示したりしてる。

O2センサー (オーツセンサー)

O2センサー (オーツセンサー)

初期のインジェクション車には装備されていなかったが、すぐにハーレーにも4輪車と同様のO2センサーと呼ばれるセンサーがエキパイに装備されるようになった。

O2 センサーは前後のエキパイの裏側に隠れている。
O2センサーはエキパイ内の排気ガスの酸素の量を計測し、燃料の濃い薄いを判断して燃料噴射量を調節することできれいな排気ガスと良好な燃費を保つようにコンピュータが制御している。
コンピュータのマップ(燃料噴射量)が装備されているマフラーやエアクリーナーの特性と違っているとO2センサーでは調整しきれないのでインジェクション・チューニングが必要になってくる。

O2センサーにはナローバンドセンサーとワイドバンドセンサー(ノーマルは全てナローバンド)があり、大きさも18mmの物と12mm の物があり車種と年式で異なってくる(詳しくはカスタムガイドを参照)。

エンリッチメント デバイス

O2センサーの間に割り込ませて、強制的に燃料を濃くする装置。エキパイ内部の酸素濃度を測るO2センサーの出力を変更し、”薄すぎる” と情報を送ることで燃調を濃くする。コンピュータ本体のマップ(燃料噴射量など)は変わらないので、加速時や減速時などは効果がほとんど出ない。

イモビライザー

電子的に回路をカットし、 不正な方法ではエンジンが始動しない防犯システム。

カプラー

パーツの交換や整備性を高めるため、複数の配線を簡単に付けたり、外したりできるようにしたプラスチック製の端子。

電動ファン

ラジエターを流れる冷却水は走行風によって冷やされるが、電動ファンはファンの駆動をモーターによって行なうことで冷却する。バイメタルというある一定の温度で反る金属板をスイッチに使い、温度が上がればファンが回り、下がると止まる。

インジケーターランプ

ニュートラルランプや燃料計、ウィンカーランプなどライダーに車両の情報を知らせてくれる装置。

バッテリー

ライトやセルスターターなど、バイクで使用する電気をためる部品。そのままでは電気が切れてしまうので、オルタネータで発電した電気を常に補充している。

通常のバイクや車で使用されているバッテリーは鉛と希硫酸を使用している。希硫酸の比重が充電状態で変わり、上部の窓から色で比重が確認できる物も有った。希硫酸が漏れると付着した物にダメージがあるので取り扱いに注意が必要。

バッテリーの上部からホースが車体下部に伸びてオーバーフローした場合に逃がす構造になっていた。

MF(メインテナンスフリー)という希硫酸を初期に入れなくてもよい、シールされて補充も不要なバッテリーが出て取り扱いが簡単になった。

ハーレー用のバッテリーもMFだが、通常のバッテリーを進化させたAGM(Absorbent Glass Mat)方式というグラスマットに希硫酸を染み込ませた方式を採用している。以前の液体を使用したバッテリーよりも信頼性が高く、極板も大きく出来るので容量も大きくできる特徴がある。基本的にはAGMも通常の鉛バッテリーと同じ特徴(電圧特性など)を持つ。

バッテリー内部は6つのセルに分かれ、約2Vづつを発生しトータルで12~13Vを発生させる。

鉛バッテリーの欠点は自己放電電流がやや多く放置すると内部の充電量が減少する事。そして、過放電に弱い事。放電した状態で放置すると内部にサルフェーションと呼ばれる白い粉が極板に付着していく。サルフェーション(絶縁物質)は固化していき充電容量が減っていく。冬季に数か月乗車しないとこの状態になり、その後に充電しても元には戻らない(冬季は温度が低くバッテリーの能力が下がるので現象が出やすい)。

最近リチウムバッテリーが出てきたが、鉛バッテリーに比べ非常に軽量で(約1/10近い)、自己放電が少なく放置してもサルフェーションが出来ない。

しかし、初期放電電流はまだ鉛バッテリーより弱く、何より航空機で火災が発生した事から航空貨物に積めない、船便でも積めない事も多く、流通に制限がある。以前日本で販売されていたバイク用リチウムバッテリーもほとんどが販売されなくなった。

バッテリー チャージャー

バッテリーを充電するための充電器。

しばらく乗らないとバッテリーの充電量が減ってくるので充電する。

保護回路や電子回路の無い充電器は充電が終わったら外す必要が有るが、いつ終わったかを判断するのが難しかったり、時間がかかるので見てはいられないという問題があった。

そこで、最近はフロート式(満タンになると充電を止め減ってくると再充電)やトリクル式(満タンになったら微弱充電に切り替わる)等がよく使われるようになった。常時接続しておくとバッテリーの劣化を防ぐことが出来る。

バッテリーテンダー

バッテリー充電器のメーカーの名前。

ハーレーが純正で採用している、バッテリーチャージャーの代表的なメーカー。

ヒューズ

電気配線がショートしたり、異常電流が流れた時に保護する為に入っている。ヒューズは規定以上の電流が流れると切れる仕組み。エンジン、ライトなど回路毎にヒューズが入っている。ハーレーでは全体用を「MAXI」と呼ぶ大容量のヒューズも装着されている。

レギュレーター

電圧を安定させる、 交流を正流にする。

ABS

ABS = Anti-lock Brake System
ブレーキのかけすぎによる 車輪のロックを回避する仕組みのこと。車輪のロックを検知すると、コンピューターが自動的に制動力をコントロールしてロックを回避する。

オルタネーター

= ジェネレター
交流式発電機、充電器。 エンジンの動力を利用して走行中にバッテリーを充電する。 照明や点火装置への電力供給も行なう。