ノーマルのコンピューターはマップが固定ではなく、書換えが可能になっている。書き換える為のデバイスは 必要だがコンピューターそのものは車載コンピューターを使用するのでコストを抑えられ、ノーマルコンピュータの機能をすべて使用できる。 マップをすべて書き換えれるので、出来る事はフルコンと変わらない。
エアクリーナーの種類やマフラーのタイプ、そしてライダーの好みに合わせて自由にチューニングできるので、このタイプのチューニングが主流になってきている。
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[accordion title=”(A) スーパーチューナー”]
(A) スーパーチューナー
ハーレーがリリースしているのがスーパーチューナーというデバイス。 スーパーチューナーは車載コンピューターの燃調マップを書き換えるデバイスで、 通常、走行時には車両には積まない。 スロットルポジションとエンジン回転数に応じて細かい燃料マップにより燃調を コントロールする。 フロントとリアのシリンダーでセッティングを変える事ができ、燃調だけでなく、 点火の進角度やアイドリング回転数、最高回転数など細かく設定ができる。
用意されているマップにはノーマル用は無く、STAGE-I(ハイフローとスクリーミンマフラー用)の他カムやインジェクターを変更したレース用などが用意されている。
ちなみに、用意されているマップはハイカムやボアアップ用他が各車種用に用意されており車種のカバー率は流石に高い(というか、各年式ですべての車種用のマップを用意できているのはハーレーくらいでは?)が、Vanceや他社のマフラー用のマップは用意されていない。
しかし、ハイフローエアクリーナーとスクリーミンマフラー用などのマップで書き込み、スマートチューンでセッティングを合わせて行けば心配はない。
▲スーパーチューナー
HD純正で安心感あり
– 長所 –
特徴 | 説明 |
---|---|
①純正ECMをそのまま使用するので安心。全車種に対応している。 | 流石、ハーレー純正スクリーミンイーグルのチューニングキット。実績と信頼性の高さはピカイチ。 |
②アイドリングを落とせる | アイドリングは800rpmまで落とせる。 |
③自分でセッティングできる | パソコンに専用ソフトをインストールして接続すれば、細かい設定まで自分で行う事も可能。 |
④スマートチューン可能 | 走行してO2センサーの出力を記録し、マップの補正ができる。昔のバージョンは記録できる時間が少なかったが、 現在はかなり記録できるので安心してセッティングできる。 |
– 欠点 –
特徴 | 説明 |
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①PCを使っての設定 | PCの設定が必須。操作はやや複雑。メニューは日本語で表示されるが英文が直訳されているだけなので、知識が無いと使いこなすのは大変。
(ワールドモーターライフで日本語説明書を用意しています。) |
②標準マップで選べるマフラーが少ない | 毎年ソフトが更新され、全車種の各種マップが用意されるが、ある車種向けで選ぼうとするとカムやインジェクターを交換しないノーマルエンジン用のマップは少なく、通常1種類しかない。それはSTAGE-1用(ハイフローエアクリーナーとスクリーミンやレース用マフラー向 け)でマフラーの種類などは選択できない。ツアラーで独立管に交換すると設定があまり合っていなくて苦労する事がある。スクリーミンイーグルのマフラーや 社外のスリップオンマフラーなら問題なくスマートチューンでセッティングを合わせる事ができる。 |
③ナローO2センサーによる制限 | 標準のO2センサーをそのまま使用するので信頼性は高いが、空燃比をあまり変更できない。 ただし、VEのセッティングを出してから空燃比をいじれる。 |
▲スーパーチューナー用ソフトウェアの画面
[/accordion] [accordion title=”(B) Dynojet パワービジョン”](B) Dynojet パワービジョン
機能的にはスーパーチューナーと変わらないが、LCO画面で直接データを変更できるので、ある意味画期的な商品。
多くのメリットがあり、欠点らしい欠点もなくお勧めの商品。
パワービジョンでは画面でデータを確認したり変更もできる
パワービジョンは設定後取り外すこともできるし、ハンドルなどに取り付けて走行もできる。
– 長所 –
特徴 | 説明 |
---|---|
①純正ECMをそのまま使用して、マップを書き換える | 純正ECMの持つ機能をフルに活用できる。 |
②アイドリングを落とせる | アイドリングは900rpmまで落とせハーレーらしい音にできる。 |
③自分でセッティングできる | パソコンに専用ソフトをインストールして接続すれば、細かい設定まで自分で行う事も可能。 |
④オートチューン可能 | O2センサーの出力でマップの補正ができる。 |
⑤8種類のデータを保存可能 | ノーマルデータも保存可能で、状況により以前の設定データに戻す事もワンタッチでできる。 |
⑥ワイドバンドのキットが用意されている | 別売のワイドバンドO2センサー付きオートチューンキットを使用すれば、セッティングの 合いにくい独立管や抜けの良いマフラーでもオートチューンで設定が合いやすくなる。 空燃比も自由にイジれるので、比較的簡単にパワーを出す事ができる。 |
– ワイドバンドO2センサー付きオートチューンキット –
このキットを使用するとO2センサーをノーマルのナローバンドから付属のワイドバンドに交換できる。信号を変換するコントローラも付属しており、電源を接続すればOK。後はパワービジョンのモニターでオートチューンをかける時に”BASIC”ではなく、”PRO”を選ぶ。
ノーマルでは空燃比をいじるとO2センサーの出力が使えなくなるが、このキットでは自由に設定できてしかもオートチューンで合わせてくれる。今までセッティングが合わずに苦労していた人にはありがたいキット。
ノーマルのナローバンドO2センサーでは空燃比を濃くするとデータが取れなくなるのでパワーが出るセッティングは難しいが、ワイドバンドキットだと断然パワーを出す事ができる。
ちなみに、ナローバンドO2センサーは空燃比を 14.3あるいは 14.6 に設定しておかないとクローズドループという学習モードにならないが、ワイドバンドではそういう制約がないので、パワーの出る 13.x 台の空燃比でもオートチューンが出来る。ナローが 14.3 / 14.6 で動作するのは燃費がよく排気ガスがクリーンなため。マフラーやエアクリーナーを交換すると更に薄くなるが、燃調で補正できる(ただしナローバンドでは薄い状態でセッティングする事になる)。
極端に抜けの良いマフラーやエアクリを装着するとノーマルのナローバンドではセッティングがなかなか出ないが、ワイドにすれば比較的簡単にセッティングを出せるメリットもある。
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[accordion title=”(C) フューエルパック fp3″]
(C) フューエルパック fp3
ハーレー用の各種マフラーをリリースしている事で有名なバンス(Vance&Hines)社。
マフラー交換に合わせてセッティングが必要になるので、“FuelPak(フューエルパック)”というサブコンを販売している。
そのVance社が満を持して2014年に販売開始したのが、このFuelPak fp3。
特徴は、今までのECMの外側に付けて補助するサブコンからECMの中を書き換えるデバイスに変わった事。従来のフューエルパックとは別物になった。 しかも設定には普及している iphone や Androidなどのスマホを使用する。 スマホなので、どこでも操作できる。
マフラーで有名なVance社なので、Vance社の主要なマフラー用の設定マップが用意されているのもありがたい。
他社のマフラーでも近そうなマフラーを選ぶ事ができる。 最初のマップが装着のマフラー、エアクリーナーの特性に近ければセッティングも楽になる。
注意点としては、スマホの接続にブルートゥースを使用するが、まれに接続に問題が出る事がある(大半はスマホ側の設定や環境の問題。ググルと解決法など出てくる。)事と、 もう一つ、スマホのアプリを使用するので、アプリに問題がある(例えば、新しい車種でマップが無いとか、バグ?とか・・)事が稀にあり、その場合は次のアップデートに期待しなくてはならない。
実際に弊社でもiphoneはOKだがAndroidはダメとか、特定の車種でマップが表示されずVance社に連絡して更新版でリリースしてもらった事もある。ちなみに更新すると古いバージョンには戻せない。
ごくごく稀にだが、使い方の問題でオートチューンモードから抜けれなくなって新しいマップを書けなくなってしまったような事例もある。
– 長所 –
特徴 | 説明 |
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①本体の装着が簡単 | コネクタを挿入するだけ |
②スマホのアプリで自分でセッティングできる | 事前にアプリをダウンロードしてDEMOモードで試す事もできる。 |
③アイドリングも落とせる | アイドリングは800rpmまで落とせる。 |
④設定用マップファイルが比較的豊富 | vance社をメインに各車種に有ったマップが用意されている。装着マフラーに近い設定からセッティングを始める事ができる。 |
⑤スマートチューン可能 | 走行してO2センサーの出力を記録し、マップの補正ができる。 |
⑥スマホ画面でモニタできる | スマホ画面に回転数やその他データを表示できる。表示させながら走る人もいる (ブルートゥースを使用しっ放しになるので推奨はされてない)。 診断コードを表示する事もできるので、他のトラブル時にも活用できる。 |
⑦価格が比較的安価 | 液晶などが無いのでその分安くなる。アプリは無料でダウンロードできる。 |
– 欠点 –
特徴 | 説明 |
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①スマホとアプリを使用する | これは利点でもあるが、問題が発生した時には困ってしまう。稀にしか発生しないが発生した場合にサポートしてくれるショップを選ぶ必要がある。 |
②ナローO2センサーによる制限 | 標準のO2センサーをそのまま使用するので信頼性は高いが、オートチューン使用時は空燃比を大きく変更できない。 |
(D) TTSマスターチェーン
スーパーチューナーと同機能品。 実はスーパーチューナーを開発した会社で、スーパーチューナーの基本機能を引き継いで開発した商品。 長所と短所はスーパーチューナーとほぼ同じだが、いくつか スーパーチューナーより良い点もある。
- ノーマルデーターを吸い上げれる(スーパーチューナーではできなかった)
- 2台のハーレーで使用する事のできるセットもある(スーパーチューナーは1台でしか使用できない)
ソフトウェアのメニューは、スーパーチューナーとは大きく異なっているので、注意が必要。
PCが必須で、ソフトもチューニングとオートチューンなど別々にあり、やや複雑。
しかし、細かいセッティングが可能で、ノーマルのO2センサーの他にワイドバンドセンサーを接続して調整可能と高機能。
マニュアルも英文だが非常に細かく書いてあり、アフターの消し方まで記述されている。
英文が問題無く読めてパソコンも使えて、自分でとことんチューニングしたい人向け。
▲TTSマスターチューン
スーパーチューナーと同様にケーブルでPCと接続して車載コンピュータのデータを書き換える。